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Startupbootcamp Scale Osaka Alumni Story – WeSpire 代表取締役社長 Susan Hunt Stevensさん 

新型コロナウイルスが日本や世界に多大な影響を与えたにもかかわらず、日本のスタートアップエコシステムは強化され続け、日本市場への参入を目指す海外スタートアップが増えています。Startupbootcamp Scale Osaka Alumni Story インタビュー第2弾は、「Startupbootcamp Scale Osaka Cohort 2」(スタートアップブートキャンプ・スケール大阪 第2期、以下SBC 大阪) のメンバーであり、アメリカ・ボストン発のスタートアップ企業「WeSpire」 の代表取締役社長である Susan Hunt Stevens さんです。SBC 大阪での経験や日本市場参入に関することなどを聞ききました。

Susan Hunt Stevens
WeSpire 代表取締役社長

環境、社会、ガバナンス(ESG)イニシアチブへの人々の参加に焦点を当てた受賞歴のある従業員体験テクノロジープラットフォームである WeSpire の創設者兼CEO。息子が重い食物アレルギーと診断されたことをきっかけに、より健康的で持続可能なライフスタイルの実現を支援するためにWeSpireを設立。EY Entrepreneur of the Year for New England、Boston Business Journal Woman of Influence、Environmental Leader 100 リストに選出。WeSpire 入社以前は、ニューヨークタイムズ社に9年間勤務し、直近では売上6000万ドル規模のデジタルメディア部門である Boston.com の SVP/ジェネラルマネージャーを歴任。

「WeSpire」設立の経緯をお聞かせいただけますか?

WeSpire は、人々が日常生活の中で健康的でサステナブルな選択をするための顧客向けアプリとしてスタートしました。数年経ってから、企業から企業向けバージョンがないかという問い合わせが来るようになりました。従業員のエンゲージメントに対するニーズがこれほど高いとは思いませんでしたが、結果的にそれが私たちのビジネスの大半を占めることになりました。

Startupbootcamp Scale Osaka との出会い

Startupbootcamp Scale Osaka プログラムに参加してみた感想や、日本市場への参入を目指す上で得られた気づきなどがあればお聞かせください。

選ばれたことはとても光栄で、プログラムでは非常に多くのことを学びました。とてもよくまとまったプログラムでしたし、パートナー企業との共同作業も本当に楽しかったです。新型コロナウイルスにより、完全オンラインでの実施に移行したことで、このプログラムへの参加が可能となりました。そうでなければ、参加できなかったと思います。けれどやはり、最後の1週間は、直接関係者のみなさんとお会いしたかったです。また、このプログラムではっきりしたことは、日本市場でのビジネス拡大を検討する上で、対面コミュニケーションの重要性と、現地のパートナー企業を見つけることが肝になるということです。日本市場への進出は今後検討していますが、現状としては、新型コロナウイルスの収束を待っている段階です。

 

政府機関や大企業のトップの中には、日本市場について「人口が減少し、経済成長率が低下している」と暗い見方をする人もいます。日本は本当にスタートアップ企業にとって大きな市場なのでしょうか?また、日本市場にどのようなビジネスチャンスを見出したのでしょうか?

私たちは、その国の広範なGDPが直接ビジネスに影響を与えるような一般消費者向けにサービスを提供している企業ではありません。私たちにとって重要なのは、その国にテクノロジーに強い人材が多く居て仕事のデジタル化を受け入れているか、国連の SDGs やサステナビリティ、ウェルビーイングなどの環境・社会・ガバナンスの取り組みに関心があるか、そして従業員エンゲージメントや定着率について取り組んでいく必要があるか、という3点です。日本市場は、これらの基準に非常によくマッチしています。

 

日本市場への進出にあたって苦労したことはありますか?

私たちは、企業が従業員を環境・社会活動に従事させるための支援を行っていますが、すでに日本に本社を置く小松製作所という顧客を得られたことは、とても幸運なことでした。小松製作所は、ローカライゼーション、特に言語面で素晴らしいパートナー企業です。小松製作所とは、新型コロナウイルスが世界で確認された当初から、完全にオンライン上で仕事をしてきました。小松製作所にはバイリンガルの従業員が多く、カスタマーサクセスやサポートは英語で行うことができました。しかし、日本の大企業には必ずしも共通しない特性があることも認識しています。

 

SBC 大阪に採択されたことで得られたことはなんでしょうか?

このプログラムを通じて気づいたことは、日本市場への参入を成功させるには、文化や言語の違いを乗り越えるためのパートナー企業、そして日本語に堪能な営業・サポートチームが必要だということです。しかし同時に、パートナー企業の経営資源となり、WeSpire のすべてを知るエキスパートとなる人材を、組織内部からも送り込みたいと考えていました。新型コロナウイルスの影響で、人材の派遣、パートナー企業の獲得、チームの形成におけるプロセスが非常に複雑になりました。私たちはまだ日本市場への進出を目指していますが、まずは新型コロナウイルスの収束を待つ必要があります。

 

最後に、日本市場におけるWeSpireの今後の展開についてお聞かせください。

私がこのプログラムで学んだ最も重要なことは、小松製作所や電通のように本当にグローバルに事業を展開している日本企業と、海外売上実績はあっても、実際にはグローバルに事業を展開していない企業との違いです。どの企業もグローバルに事業を展開しているのは事実ですが、グローバル事業の強さは千差万別です。皮肉なことに、この市場で成功するためには、WeSpire 自身もグローバルなオペレーションを確立し、真の意味でグローバルになる必要があるのです。これは非常にエキサイティングな挑戦であり、チャンスでもありますが、より大きな投資と努力が必要です。1日も早く新型コロナウイルスが終息し、日本市場参入の計画を実行に移せることを期待しています。

Susan さん、ありがとうございました!

■ WeSpire について

WeSpireは、米国のボストンに拠点を持ち、企業のサステナビリティを実現する為に設計され、既に北米で多くの大企業にて採用されているプラットフォームの構築、運営を行っています。北米においては企業によってCRO (= Chief Responsibility Officer) や、CSO (= Chief Sustainability Officer) などと言う役職が存在しています。彼らは、テクノロジーに裏付けられたWeSpireのようなプラットフォームを利用して、豊富な事例から自社のSDGs活動を設計し、運用して、その結果を数値化(見える化)しています。

スタートアップエンゲージメント (スタートアップ企業との協業)

世界中の極めてイノベーティブなスタートアップ企業のと協業により、困難なビジネス上の課題の解決を図ります。

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